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前鬼山の尾根に向かう一筋の林道を進んだ先に、突如として現れる秘境「前鬼」。ここは江戸時代までは教育の場を兼ねた修験道の一大拠点でした。生駒山の「暗峠」で悪さをしていた前鬼・後鬼という二匹の鬼が、修験の開祖・役行者に諭され従者となり、この場所で修験者たちを受け入れるよう命じられ、住み着いたことがはじまりと言われています。

 

その後、前鬼・後鬼夫婦の5人の子どもたち「五鬼助」「五鬼熊」「五鬼継」「五鬼上」「五鬼童」がそれぞれ宿坊を開き、さらにその子孫たちもこの地で田畑を耕しながら、大峯奥駈道を辿る修験者たちを支え続けました。

 

明治時代の半ばまでは5つあった宿坊も、時代の移ろいと共にその数を減らし、現在は1つのみ。うず高く積まれた石垣が時の流れを告げる中、61代目の当主である五鬼助義之さんは先祖たちの意志を継ぎ、今なお「前鬼山小仲坊」を守り続けています。

 

※滑落などの危険を防止するため、前鬼まで直接車で行くことはできません。訪問されたい方は、林道の途中に設置されたゲートの前の駐車スペースに車を停め、徒歩で登るようにしてください(ゲートから徒歩で約30分ほど)。

Spot information

所在地

下北山村前鬼30

連絡先

07468-5-2210(小仲坊現地)土日祝
072-834-1074(五鬼助義之)平日

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