僕が住んでいるのは生駒市。下北山村と同じ奈良県だ。でも、生駒と下北山村では違いがすごい。コンビニやスーパーはないし、インターネットが繋がらない場所もある。
これだけを聞くと、不便でいまいちに思うかもしれないが、そんなわけじゃない。
僕は生き物が大好きなので、下北山村でも自然に入り浸って遊びたいと思い、訪ねるたびにウキウキする。今回は、この夏に下北山村に行って感じたことを「自然」というテーマに絞って語りたいと思う。
まず、何と言っても川がびっくりするほどきれいだ。
中には小さな魚(アブラハヤ?)やヨシノボリの仲間、鮎などたくさんの川魚が生息している。膝くらいまでの水しかない浅いところから、泳げるほどの深いところまである。
家から網を持ってきて魚とりに挑戦してみたが、ヨシノボリなどの小魚はとれても、鮎は泳ぐスピードがとても速くて捕まえられない。それでも、潜ってみたら、水中で自分のほうに向かって鮎が泳いでくるのが見えて、とても楽しかった。
他にも、足に魚が集まってきたりすることもあり、川に入れば何時間でも楽しめた。魚を見ようと思えば、岩などの上からでも見えるが、水着を持ってきて実際潜って見るのがおすすめである。
最初はびっくりするほど冷たいけれど、肩まで入ってしまえばもうそんなに冷たくないな、と感じた。僕は今まで何回か川魚を捕まえたことがあるが、毎回川魚の顔ってかわいいいなって思う。目と口が、うまく言葉にできないけれど、とてもかわいいのだ。
川といっても、いるのは魚だけではない。カワセミも飛んでいた。カワセミはスズメよりやや大きい、お腹がオレンジ色で背中が青い美しい鳥だ。下北山村の村鳥にも指定されている。カワセミの食べるものは魚がメインなので、運がよければ、魚を捕まえて食べるところを見られるかもしれない。
今回の訪問でそのシーンを見ることはできなかったが、アカショウビンというカワセミの仲間の真っ赤な鳥もいるらしいので、いつか見てみたい。
そして、市街地じゃあり得ないと思うのが、どこを見渡しても緑があるということだ。点状にあるわけじゃなくて、囲まれているのだ。自分のいるところが木々に囲まれてるって感じた。
僕は緑色が一番好きだが、下北山村の木々の緑色は、緑の中でもずば抜けて美しいんじゃないかというくらい美しい。見てるだけでもうっとりするし、印刷の緑色とかとは違って、木々それぞれの立体感もある。
スギやヒノキなどの針葉樹は木の幹がまっすぐだ。その中に川とか池とかの水があって、どう撮っても画になるんじゃないかと思うほど美しい。もう美しい、としか言えないのである。2年前にこの目に焼き付けたはずなのに、今年も再び感動した。
さっき川魚に対して「とてもかわいい」と言ったのにも関わらず少し残酷だが、やっぱり鮎はおいしい。塩を振って焼くと、ほのかな苦味がある。身もふっくらしている。子持ちの個体もおいしい。今回は食べられなかったが、前回食べたアマゴもとてもおいしかった。
夜、キャンプ場のコテージに泊まっていたらコカマキリやヤモリも入ってきてかわいかった。一緒に寝ようかと思ったが、その頃には逃げちゃっていて、ちょっと残念だった。
カブトムシやクワガタムシがいるかなあと思ってクヌギの木々のあるところを歩いてみたが、残念ながら捕まえることはできなかった。ただ、現地の方の中にはカブトやクワガタを目撃したことのある方がたくさんいるらしいので、今度はリベンジしてみたい。
今回、僕は滞在中にたくさんの生き物を見ることができたが、あとで調べてみたら、他にもたくさんの生き物がいることがわかったので、次に下北山村に来たときの楽しみがまたひとつ増えた。
自然の美しさというものも改めて実感したし、川に入ったのもとっても楽しかった。前の記事で触れたけど、村の人々もフレンドリーな方々ばかりで、話したり遊んだりしてとっても楽しかった。人生初、天の川を見ることもできたし、たくさんおいしいものを食べることもできた。今回も2泊3日の旅だったが、やっぱり2泊3日じゃ足りないほど楽しかった。
1週間とか1ヶ月いたとしてもきっと退屈しないんじゃないかと思えるほどたくさんの自然があったし、自然の遊び場もあった。なんか自然で遊んでいるというか自然に遊ばせてもらっているというか、そんな風に感じた。
今この文章を書いているのは下北山村旅行が終わってから5日後なのだが、やっぱり自然の豊かさの違いというのをものすごく実感する。また行きたいなあってどんどん恋しくなってくる。また少し経ってから思いっきり遊んで、思いっきり楽しみたいなあって思う。
all photo by yuta togo
- 荻巣 樹
- Ogisu Itsuki